フィールドワーク 0001 “川崎国”
サイエンスフィクションを書き、そこを敷地として衣服を設計する。
これは、菊竹清訓、加えて筆者の研究の主査である松川昌平氏の整理するところの「か」「かた」「かたち」「かち」において、「かち」を仮想的に設定することで、「かち」の評価軸を拡張する試みである。
その題材集めに 現代のディストピア”川崎国” 、神奈川県川崎区へフィールドワークへ向かった。
Research Process & Theme
research aims 研究目的
・現在の都市で実際に巻き起こっている問題を観察し、スペキュレーションへ役立てる
・ディストピア都市での人々の装いを観察し、戦術的な自己防衛の事例を収集する
research method 研究手法
Digital Ethnography
・写真
・位置情報
・カロリー消費量
・歩数計
research objects 観察対象
個人
・ディストピア都市川崎のなかで人々がどのように振舞っているのか
・都市の中での人々の装い
・劣悪環境の中で人々がどのように自己を防衛しているのか
都市
・住民の手によって都市がどのようにタクティカルに作り変えられているのか
・実際にどのような問題が巻き起こっているのか都市を通して読み取る
・未来のディストピアを想定するワークショップ(一人)にあたってのヒントを得る
media
camera -photo
iPhone -GPS log
date
2019/4/20
place
“川崎国” 神奈川県川崎市川崎区
日進町=ドヤ街
2015年5月 簡易宿泊所火災 11名死亡
deliverables 成果物
写真
・個人
・都市
GPSでのリサーチ経路データ
related research 既往研究
Belonging and Belongings
https://www.stby.eu/2009/09/06/belonging-belongings/
川崎では「高校生ラップ選手権」の開催を皮切りに、中学生にまで上納金制度が浸透していることから「職人になるか暴力団になるか」といった選択肢しかなかった若者たちが、ヒップホップへコミットすることで暴力団への加入を防いでいる、という状況が起きている。
簡易宿泊所火災が起きた川崎駅の南側から、北上して競馬場へのソープランド街を回った。
戦前、大陸から労働力を集めた名残から、川崎では多くの国籍の人々が入り混じる空間になっていて、写真からも観察できた。
実際、東日本大震災後に起きたヘイトデモのさなかでも、川崎に外からやってきてデモを開催する人々と、地元のカウンターたちの抗争が問題になっていたという。
しかし、この観察方法やこの観察場所では、人々の関係はかんさつできなかった。
観察の目的をしっかり絞る必要がある。(続く)