「俺はサイバーパンク」とは何か

Kotaro Sano
2 min readApr 23, 2019

筆者は、『攻殻機動隊』や『ブレードランナー』といった、近未来のサイエンス・フィクションの作品に幼い時に出会ってから親しみがあり、影響を受けてきた。
SF、とりわけ「サイバーパンク」といったジャンルで括られる前記のような作品には、肉体の半分が機械で置き換わっているような「サイボーグ」などに代表されるように、既存の人間の体の形にとらわれない奇妙な形をした人物たちが、技術によって拡張され、生まれ持った体の形を失いつつも、新たなアイデンティティを獲得していこうと奔走する姿がよく描かれる。

筆者の夢は、衣服をつくることを通して、人間ー機械という二元論を超越することである。具体的に現在、デジタルテクノロジーによって<究極に個人化された衣服制作のシステム>をつくることで、既存の衣服の大量生産システムを変えようとしている。体のサイズ・用途・生活にフィットした、その人だけの<個別固有>の衣服、つまり究極にパーソナライズされた服。それを機械学習をはじめとする情報技術と、デジタルデータからモノをつくる工作機械を接続し、衣服におけるデジタルの要素とアナログの要素をデザイナーが行き来させることで、テクノロジーを使ってその人ぴったりの衣服をつくることができると考えている。

そして、機械によって生成的にデザインされた衣服を人間が着ることで生まれる「新たなSF的身体像」について思索したい。

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